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【エロゲレビュー】「喫茶ステラと死神の蝶」感想!

「死神と、お茶でもいかが?」

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こんにちは、おしりバスケです。

今回は「喫茶ステラ死神蝶」の感想・レビューを書いていくよ~!

去年のクリスマスにエロサンタさんからもらった本作。もらいものとはいえ忖度なしの真剣レビューです!

 

☆あらすじ

《9月28日。あの日、確かに俺は一度死んだ―――》

一星大学に通う大学生である高嶺昂晴(たかみね こうせい)。ごくごく普通に暮らしていたはずの彼は、ある日不運にも交通事故に巻き込まれ命を落としてしまう。「せめて、童貞くらいは卒業してから死にたかったな…」そんな後悔を抱えながら、薄れゆく意識のなかで彼は青く光る蝶の姿を見た。

―――目が覚める。自分が死んだはずの日が繰り返され困惑する彼の前に、自らを死神と名乗る明月栞那(あきづき かんな)という女の子と、ミカドという名の猫(?)が現れる。彼女いわく、自分は現世に未練があるあまりに因果をねじまげ、死をなかったことにしてしまったのだという。ますます困惑する彼だったが、栞那とミカドの超常的な力を目の当たりにし、まぎれもない現実であることを受け入れる。

昂晴は死神の仕事を手伝いつつ、自分自身の持つ「未練」を解消して死の運命を回避するため、彼女たちに協力することにしたのだが…その「手伝い」の舞台として、なぜか喫茶店のオープンを準備するところから始まって―――!?

 

 

★評価

 

【基礎評価①(スコア×3点)】

★シナリオの完成度…8/10

…共通の出来、設定の活かし方に少し気になるところはあるけどそれ以外はおおむね高評価。共通とくらべて、個別ルートの出来はとても安定していてグー。

 

★キャラクターの魅力…8/10

…私に特別ぶっささるキャラクターはいなかったけど、全体的にキャラ萌え要素は文句なし。どのヒロインも個別をやればちゃんと好きになれる掘り下げのうまさはさすがゆずソフト。ただ主人公の魅力が薄いのと、準レギュラー的サブキャラが少なかったのはけっこうマイナス…!

 

★絵のかわいさ…9/10

こぶいち&むりりんでいつものように高クオリティ。発売時期もありちょっと最近っぽい絵なので「萌え」って感じではないかな~?この作品独自としてピックアップするなら、希の百面相っぷりは一見の価値あり。

 

【基礎評価②(スコア×1点)】

★システムの充実度…10/10

…やりすぎな充実具合。狂気的。基礎的な機能は完璧に網羅したうえで、フローチャートスクランブル画面・ログジャンプ・瞬間スキップ・ボイス待ちなしオートなどなど拡張的な機能も完璧。ただ機能に比例してボタンも増えすぎてウインドウ下がわやくちゃなうえ、たぶんほとんどの人がすべての機能の10分の1も使わずに終わるので、こんなにいるかな?とは思いました。サノバくらいがちょうどよかったかも。

 

【作品としてのいいところ(1つにつき1点)】

★えっちシーンがいい!

エロに気合が入ってることで有名なゆずソフトですが、今作も抜かりなし。作品を重ねるごとにシチュエーションの変態具合や声優さんの演技も磨きがかかっており、エロゲとはエロありノベルゲームだからエロゲなんや!といわんばかりの最もフィジカルで最もフェティッシュで最もプリミティブなえっちシーンは必見。

 

★声優さんの演技がいい!

今作は普段の会話とえっちシーンでの演技のギャップがクるヒロインが多いです。そしてそれ以上に希ちゃんのボイスが個性的で気持ちいい。ウソ泣きの演技や、気の抜けたとぼけ声など絶妙にアホっぽいボイスに癒されます。

 

 

というわけで…

 

TODAY’s おしり’s POINT…

プルルルルルシュカー

87(エイティーセブゥン…)

\ワァァァァァァァァァ/

 

☆まとめ(ネタバレなし)

いわゆるお店もの系エロゲ。手堅くまとまった良作といった感じで、共通の出来がちょっぴりイマイチだったのと、「日常ぷらすちょっと魔法」要素が同社の傑作であるサノバウィッチほど上手にできていなくて、若干活かしきれてなさを感じたところがマイナスなくらいかな?他はおおむね気になるところもなく楽しめました。ただ私的にはキャラデザ段階で超惹かれるほどのキャラがいなかったのが惜しい。とはいえ個別は間違いなく良シナリオの宝庫で、ゆず節のきいた人情噺全開でもろもろ泣いちゃうことも一回や二回ではありませんでした。総合するなら安定品質の萌えゲー!!って感じですね!キャラデザでぶっ刺さった子がいた人は迷いなく買ってOK!!それ以外だと、システムも充実してるしどちらかというとエロゲ初心者さん向きかな?私的には希ちゃんの声の演技ところころ変わる表情がとってもかわいかったです。

 



 

 

以下、ネタバレあり感想!

 

 

☆感想トピック(ネタバレあり)

 

★共通が微妙だと後になって尾を引く

今作で一番残念だったところ!お店ものということで共通ではオープンまでの苦労とか働くうえでの主人公やクルーの成長などいくらでも描けたと思うんですけど、その辺がとにかくトントン拍子で進んじゃってドラマが薄かった……!!結局最後まで「喫茶ステラ」という舞台のことがあんまり好きになれずに終わってしまってなんともさみしかったです。プレイヤーも一体となってお店の苦楽に感情移入できないとお店ものは魅力が出なくなっちゃうんだな~…と思いました。

ざっくりいえば主人公が死んで蘇生して蘇生代の負債を返すために喫茶ステラで働く物語なわけですが、お店自体は主人公の生い立ちとはまったく関係ないものなうえ、もとより主人公はバイト先を探してる身だったので願ったりかなったりだったり、キッチンの仕事も飲食でそれなりに働いた経験があってすんなりできちゃったりと、ドラマの種がことごとくつぶされてしまっていました。「いつ死んでもおかしくない」設定もぜんぜん活かせてなくて(最序盤にギャグっぽく流されて終わり)、それなりに働けて満足しちゃってるので共通中盤でもう死神組に「まあ当面は心配なさそうですね」なんて判断を下されてしまう始末。

メンバー加入もすんなりで、火打谷愛衣さんなんかいかにもポンコツそうなのにすんなり仕事を覚えちゃいます。特にうぅん…!となったのがパティシエの汐山涼音さん。昂晴の友人である汐山宏人の姉で、かつて駅前のパティスリーで働いていたものの店長と喧嘩別れし今は無職のおねーさん。宏人経由で誘われたステラにて昂晴が出したパンケーキの味に憤慨し、スイーツメニューを担うパティシエとして加入するわけですが、ここの加入がすんなりすぎる…!ここをもうちょっと引っ張って、涼音さんに断られオープンまでにパティシエの確保が間に合わず「コーヒーとフードの味はそこそこだけどスイーツがダメダメ」なお店で客が来ない状態、でも涼音さんに断られた以上自分が頑張るしかない…!!→涼音さんに頭を下げて師事、あるいは独学で血のにじむ努力をする様子に感化された涼音さんが一度は断ったもののパティシエ魂が再燃し加入…みたいな流れにしたらカタルシスもありつつ主人公の魅力を上げられる見せ場にできたのになーって思います。(休職モラトリアムの経験がある側からすると、休職してnか月目で焦りに押しつぶされそうなタイミングで自分のスキルを活かせる職場に出会えたら二つ返事でOKする気持ちは痛いくらいわかるんですけどね。リアリティはあっても物語としてはおもしろくない…!)

総じて、共通はもうすこし主人公のことを好きにさせるような描写や物語としての緊張感が欲しかったなー…

あと付け加えるなら、ドラクリの小夜さま・ホモ・萌香さん・兵馬さんやサノバの七緒・アカギ・佳苗先生みたいな準レギュラー扱いでキャラ付けが濃い魅力的なサブキャラクターに欠けていたのも本作の世界が狭く見えて世界観へ親しめなかった要因に思えます。サブキャラはいわば「その世界に住む人の代表」で、ここが寂しいと世界観そのものへの愛着が持てなくなっちゃうんだな~と思いました。

 

★「日常ぷらすちょっと魔法」の難しさ

今作のタイトルにもある「死神の蝶」。ようは「世界には輪廻の輪から漏れ出た魂の残滓が『蝶』のすがたをとって溢れていて、死神はそれを刈り取って神様のもとに還すことで輪廻転生のバランスを保っている」という世界観を基本設定としたちょっとファンタジーな作品なわけですが、ここの活かし方というか納得のさせ方がいまいちだったな~と思います。

魂が蝶になっていること、私たちは蝶を刈っていること、蝶を引き寄せる人がいること、蝶がたくさん集まると人に悪影響がある(どこか悪い人に蝶が集まる)こと、高嶺が蝶を集める手伝いをしないといけないこと……など、いろんな設定が乱立しているうえにそれぞれの設定への説明(理由づけ)の方向がばらばらで一貫性がないせいで、なんかふんわりしたままお話が進んでしまいます。主人公の利害と死神組の利害がばらばらなのがいけなかったのかな~って思います。主人公は未練を晴らして死の運命を回避できれば蝶とか集めなくても別によくって(あくまで蝶集めは保護観察処分中に死なれると困るため課せられた業務)、死神組の仕事の本来の目的(魂の輪廻を管理すること)そのものとは利害が一致していないわけですからね。サノバウィッチの「心のかけら」はこの辺非常にうまく構成できていた(①魔女は願いをかなえるためにかけらを集めている→②かけらは感情が人の心のキャパシティをふりきって余分にあふれた「あまり」→③主人公はトラウマで心に穴が開いているために感情そのものであるかけらを取り込んで埋めようとしてしまった→④主人公の心が満たされるとその分かけらが返済されていくので、オカ研でいっしょに働いてください!→結果、魔女(綾地)と主人公の間に一蓮托生の関係が生まれる)ので、余計に残念。

個別での蝶絡みのお話は上手かったばかりに、根本の設定にもう少しわかりやすい・納得感のある説明が欲しかったな~~って思います。愛衣の蝶をつかまえる眼の話とかも、いきなりされても「はあ…」って感じで、共通でさらっと「そういう異能があるんだよ」って触れておくだけでも愛衣が蝶が見えてそうな反応をしたときに「あれってもしかしてあの時ちょっと触れられてた…!?」って推理する余地があって楽しかったのになあ。と思います。とくに直前に推理がめっちゃ楽しいエロゲを遊んでただけなおさら。まあゆずにアレくらい緻密な設定開示を求めるのも酷ですが…(向こうでは逆に「どんなに神シナリオでもシナリオゲーの土俵に立っている以上萌えゲーの一番いいところには勝てない」とも言っており、ここはもうエロゲというジャンルの幅の広さから完璧を求めても仕方ないところではあります)

とはいえ軽い設定の伏線張りくらいはドラクリオットとかサノバウィッチでは十分できてただろ、というラインでもあるので、もうちょっとがんばれよ~!って気持ちは正直ありますね。

 

★涼音さんかわいい!

ここらで明るい話でもしましょうや!!今作、汐山涼音さんとかいうつるぺた幼児体型アラサーデコちゃんがめっちゃかわいいです。ある意味全ルートで合算したときに一番主人公と一緒にいる時間が長い人?弟と同じ年のガキ相手に押し倒されてドキドキしちゃうところとか即落ちハート目2コマやっちゃうところとかとにかく一挙一動が可愛い。

個別シナリオも短いながらしっかり納得感がある落としどころで、落ち込む主人公へ放った激励の一言を、今度は自分が落ち込んでいるときに逆に返されてしまうシーンは単純ながらじ~んときます。パティシエとしての矜持や悩み、専門的な知識の披露など、今作では一番「お店もの」っぽいストーリーでもありました。他のヒロインのルートにて、毎度のように付き合い立てでデレデレする主人公に仕事はまじめにやれよと釘を刺すシーンはお約束。弟との絡みももう少し見たかったかも?

 

★ノゾミンかわいい!

おっぱいがでかすぎる!!!!!!!!!!!!!!!!!!

核?

 

 

あと百面相かわいい。いちセリフで4回くらい顔が変わることもザラで見ていて飽きない。個別で舞いがへたっぴだったんだよ!!って直球に言われたときのギャン泣きがボイス含めてよすぎる。栞那ルートの朝っぱらからちんちんしゃぶってるとこみてパニックになるところあまりにも布良梓すぎて最高でした。あと同じく栞那ルートの最後のほうで呼び出され帰国したお父さんにこーせーくんの近況をいつもと違った落ち着いた口調で、しかしうれしそうにかみしめるように話してるときの姿がみょ~に感傷的で好きです。

幼女希も好き

★そのほか個別のよかったところ・印象に残ったところ

ナツメ√の「ギャップ」の描き方は度肝を抜かれました。これエッチシーンなかったらダメだわ。エロありきのキャラ魅力。死神組との距離感も好き。栞那とナツメの組み合わせは作中では後輩組よりはプッシュされてないにしろ、見た目的にもきれいに対比になっていて素敵な二人。退院してステラに戻ったナツメにミカドが「おかえり」と優しい声をかけるところ、たった一言のセリフで主人公の知る前から知り合っていたナツメと死神組の時間やミカドにとってナツメがどのような存在だったかを感じられて無性~に好きです。ただエピローグで一人だけ抜け駆けエッチするのはさすがにヤバいと思う。エリナオレゴヴナアヴェーンもドン引きの所業。

栞那は悩まし気な目つきがきゅんときたけど、個別はまあほどほどだったかな?いろいろとパテにゃんのミオがちらついて…… 変にバッドにされるよりはご都合主義100%のハッピーエンドにされたほうが気持ちいいというのは完全同意。それでこそゆずソ!これはもう綾地寧々が悪かったとしか言いようがない気がします。センターヒロインであいつに勝てるやついねーもん。寧々がゆずソの歴史においてたった一度しか切れない特殊演出のカードを切った時点で勝てねえ。

愛衣!よかったです。主人公きっしょかったけど。付き合うまで(恋愛感情を自覚するまで)をなっが~~~~くとって、そっからアクセル全開で猛烈にエッチしたあと猛烈にキャラ固有の問題を解決してハッピーエンドっていう「ペース配分」の部分の工夫で今までにないシナリオにしたのはなかなかおもしろかったです。蝶の設定も一番うまく使えてた感じしますね。見せ場である蝶を解き放つシーンも、それまでの流れも相まってしっっかり泣ける。個別のシナリオ的には一番好きなヒロインだった感じします。ただ全体的にめぐるとダブるような…

 

☆おわりに

ゆずソフトの「日常ぷらすちょっと魔法」かつ「お店もの」ってことで、ど~~~~~~しても要素がまるまる被る傑作「サノバウィッチ」および「パティシエなにゃんこ」と比較してしまい微妙に思ってしまうことも多かった今作ですが、単体としてみれば間違いなくいいゲームではありました。どちらかといえば文句が出るのは素材のよさを活かしきれなかった惜しさゆえで、それだけ随所が光って期待を持てるような作品だったんじゃないかと思います。絵がちょっと新しすぎたからか、サノバのめぐるとか、ドラクリの美羽みたいな見た目でドン刺さるキャラがいなかったのがちょっぴり悲しかったです。私は悲しき平成萌え絵モンスターなのです。

ま、なかなかしっかりおもしろかったです。サンタさんありがとうございました。ていうか新年のシーン多かったし今年一発目にはちょうどよかったかも?

 

おしまい!